野球の基礎知識

防御率とは?計算方法や歴代の防御率ランキングについてまとめます!

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野球において、投手の個人記録である防御率

防御率には、どのような意味があるのかご存じですか?

今回の記事では、投手にとって非常に重要な防御率について、わかりやすく解説します!

この記事を読むと分かること
  • 防御率とはなにか
  • 防御率の計算方法
  • 過去の最優秀防御率獲得選手
  • プロ野球歴代防御率ランキング
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防御率とは?

防御率とは

防御率とは、その投手が1試合(9イニング)投げたとしたら、何点取られるか」を示す指標のことです。

防御率の値が小さいほど、点を取られない投手ということになります。

ここで言う「何点取られるか」は、失点ではなく自責点のことを指します。

自責点とは?

投手に責任がある失点のことです。
四死球や安打を許して失点した場合に自責点が記録されます。

一方、失点に野手のエラーが絡んだ場合は、投手にはどうすることもできません。
そのため、エラーが絡んだ失点は自責点が記録されないこともあります。

自責点については、以下の記事で詳しく解説しています。

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防御率の計算方法

防御率は、以下の計算式で算出します。

防御率の計算方法

「防御率」=「自責点」× 9 ÷「投球回数」


※投球回数が1/3イニングまたは2/3イニングを記録した時は、以下のように小数点に直して計算します。

1/3イニング 0.33イニング
2/3イニング 0.66イニング

防御率を実際に計算してみよう!

それでは、実際に防御率の計算をしてみましょう。

ここでは例として、3つのケースについて計算していきます。

〈ケース①〉9回を投げて自責点が3だった投手の防御率

「防御率」=「自責点」× 9 ÷「投球回数」に当てはめて計算します。

「3(自責点)」× 9 ÷「9(投球回数)」=3.00

投球回数が9イニングなので、自責点がそのまま防御率になります。

〈ケース②〉3試合に登板し、以下のような投球結果となった投手の防御率
 1)3回を投げて自責点が6
 2)7回を投げて自責点が4
 3)9回を投げて自責点が1

複数の試合に登板した投手の通算防御率を算出します。
そのためにまず、自責点と投球回数の合計を算出しましょう。

・自責点=6+4+1=11
・投球回数=3+7+9=19

これで自責点と投球回数の合計がわかりました。
あとは同様に、「防御率」=「自責点」× 9 ÷「投球回数」に当てはめて計算します。

「11(自責点)」×9÷「19(投球回数)」≒5.21

防御率は5.21なので、「1試合(9イニング)投げると、平均して5点くらい取られる投手」ということがわかります。

〈ケース③〉188回2/3イニングを投げて自責点が60という成績を収めた投手の防御率

2/3イニング≒0.66イニング」というように、小数点に直して計算しましょう。

ここでも同様に、「防御率」=「自責点」× 9 ÷「投球回数」に当てはめて計算します。

「60(自責点)」×9÷「188.66(投球回数)」≒2.86

防御率は2.86なので、「1試合(9イニング)投げると、平均して2~3点くらい取られる投手」ということがわかります。

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中継ぎ投手の評価は、防御率だけでは難しい?

中継ぎ投手の評価は難しい

投手がどのくらい失点しているかを示す防御率は、とても便利でわかりやすい指標です。

特に、長いイニングを投げる先発投手を評価することに適しています

一方、中継ぎ投手の評価は、防御率だけでは難しいとされています。

その理由は、防御率の計算が、失点ではなく自責点を用いて計算されるためです。

以下の例①を見てみましょう。

例①
  1. 2アウト後、投手(ア)が打者(A)に対し四球を与える。(2アウト1塁)
  2. 投手(ア)から投手(イ)に交代
  3. 投手(イ)が打者(B)に三塁打を打たれて1失点。(2アウト3塁)
  4. 投手(イ)が打者(C)を打ち取って3アウト

例①のケースでは、走者を残して降板した投手(A)自責点が記録されます。

得点を許してしまった投手(イ)ですが、自責点は0なので、防御率が悪化することはありません。

このようなケースがあることから、中継ぎ投手の評価は、防御率だけでは難しいとされています。

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最優秀防御率のタイトル

最優秀防御率のタイトル
最優秀防御率とは?

規定投球回に達した投手のうち、年間を通して最も優秀な防御率を記録した投手に与えられるタイトルです。
日本プロ野球における投手部門の主要タイトルの一つとなっています。

最優秀防御率のタイトルを獲得するためには、規定投球回に到達していることが条件です。

規定投球回は以下のように定められています。

日本のプロ野球の規定投球回

・1軍の試合:「シーズン中の所属チームの試合数」×「1.0」

・2軍の試合:「シーズン中の所属チームの試合数」×「0.8」


(例)2022年シーズンの場合
1軍の試合は、すべてのチームが143試合を行う予定です。
そのため、規定投球回は143イニングとなります。

最優秀防御率のタイトル獲得者

〈直近7年間の最優秀防御率獲得者(セ・リーグ)〉

年 度 選手名 所  属 防御率  投球回  自責点 
2017菅野 智之読売ジャイアンツ1.59187.133
2018菅野 智之   読売ジャイアンツ   2.1420248
2019大野 雄大中日ドラゴンズ2.58177.251
2020大野 雄大中日ドラゴンズ1.82148.230
2021柳 裕也中日ドラゴンズ2.2017242
2022青柳 晃洋阪神タイガース2.05162.137
2023村上 頌樹阪神タイガース1.75144.128

〈直近7年間の最優秀防御率獲得者(パ・リーグ)〉

年 度 選手名 所  属 防御率  投球回  自責点 
2017菊池 雄星埼玉西武ライオンズ1.97187.241
2018岸 孝之東北楽天ゴールデンイーグルス2.7215948
2019山本 由伸オリックス・バファローズ1.9514331
2020千賀 滉大福岡ソフトバンクホークス2.1612129
2021山本 由伸オリックス・バファローズ1.39193.230
2022山本 由伸オリックス・バファローズ1.6819336
2023山本 由伸オリックス・バファローズ1.2116422

※プロ野球の歴代記録や個人成績は、日本野球機構公式ホームページ(外部サイト)で確認することができます。

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プロ野球の歴代防御率ランキング

ここでは、プロ野球の歴代防御率ランキングTOP5を見ていきましょう。

※注意
投球回数が1/3イニングまたは2/3イニングを記録した時は、以下のように小数点で表記しています。
・1/3イニング ⇒ 0.1
・2/3イニング ⇒ 0.2

(例)
「投球回」の値が1.2 ⇒ 投球回数は1回2/3イニング

〈歴代防御率ランキングTOP5〉※2023年度シーズン終了時点

順 位 選手名 所  属 防御率  年 度  投球回  自責点 
1藤本 英雄東京巨人軍0.731943432.235
2景浦 将 大阪タイガース 0.791936秋575
3沢村 栄治東京巨人軍0.811937春24422
4 野口 二郎 大洋軍0.88194133833
5林 安夫朝日軍0.887194329429

歴代防御率ランキングTOP5は、すべて1リーグ制時代の選手でした。

防御率は、いずれの選手も0点台を記録しています。

防御率0点台という数字は、信じられないほど素晴らしい成績だよ!

時代は変わり、打者優位と言われる今のプロ野球では、防御率記録を塗り替えることは難しいかもしれません。

しかし日本には、素晴らしい投手が多くいます。

これからの投手が、歴代ランキングに少しでも割って入ることを期待しています。

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まとめ:防御率について

ここまで、防御率について解説してきました。

改めて、防御率とはその投手が1試合(9イニング)投げたとしたら、何点取られるか」を示す指標のことです。

また、防御率の計算方法は以下の通りです。

防御率の計算方法

「防御率」=「自責点」× 9 ÷「投球回数」


※投球回数が1/3イニングまたは2/3イニングを記録した時は、以下のように小数点に直して計算します。

1/3イニング 0.33イニング
2/3イニング 0.66イニング



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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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