プロ野球で抑え投手に記録されることが多いセーブ。
セーブは、特定の条件を満たした場合にしか記録されません。
しかし、この条件というのが少し複雑なものとなっています。
そこで今回の記事では、プロ野球で投手に記録される「セーブ」について詳しく解説します。
- 野球の「セーブ」とはなにか
- 投手にセーブが記録される条件
- プロ野球の歴代セーブランキング
野球の「セーブ」とは?
そもそも、「セーブ」ってどういう記録なの?
セーブは主に、抑え投手に記録されるよ!
年間で最多のセーブを記録した選手は「最多セーブ投手」のタイトルを獲得し、レギュラーシーズンの全日程終了後に表彰されます。
投手にセーブが記録される条件とは?
セーブが記録されるためには、以下の5つの条件を満たす必要があります。
- 勝利投手の権利を持たない
- 勝利チームで最後に投げた投手である
- 1/3イニング以上の投球回を記録する
- 同点・逆転を許さず、リードを守り切った状態で試合を終了させる
- 下記の条件をいずれか一つ満たすこと
- 3点以内のリードで登板し、1イニング以上を投げる
- 2人連続ホームランを打たれると同点・逆転という場面で登板する
- 3イニング以上の投球回を記録する
それぞれの条件を詳しく見ていきましょう。
条件①:勝利投手の権利を持たない
1試合で「セーブ」と「勝利投手」が同一の投手に記録されることはありません。
先発投手が完投勝利した場合、「セーブ」は記録されず、「勝利投手」が記録されます。
条件②:勝利チームで最後に投げた投手である
セーブが記録されるのは、勝利チームの最後に投げた投手のみです。
そのため、1試合でセーブが記録されるのは1人の投手だけということになります。
条件③:1/3イニング以上の投球回を記録する
セーブが記録されるためには、少なくとも1アウト以上を取る必要があります。
条件④:リードを守り切った状態で試合を終了させる
チームがリードしている状態で登板し、一度も追い付かれることなく試合を終わらせなければなりません。
失点して同点に追い付かれたり、逆転されたりした場合、セーブの権利は失われます。
条件⑤:特定の状況をいずれか一つ満たす
セーブが記録されるためには、上記の条件①~条件④を満たしたうえで、下記のいずれかを満たす必要があります。
- 3点以内のリード時に登板し、1イニング以上を投げる
- 2人連続ホームランを打たれると同点・逆転という場面で登板する
- 3イニング以上の投球回を記録する
セーブが記録されるための条件ってとても複雑だね・・・
次は、実際にセーブが記録される具体的な状況を確認してみよう!
投手にセーブが記録されるケースを具体例で確認!
それでは実際、どのような場面でセーブが記録されるのでしょうか。
具体例を踏まえながら、セーブが記録される状況を確認しましょう。
ここでは、以下の4つのケースをご紹介します。
●ケース①:3点リードの9回裏から登板。
⇒三者凡退に抑えて勝利した。
●ケース②:4点リードの8回裏1アウト1・2塁のピンチで登板。
⇒8回のピンチを無失点で切り抜ける。9回にも登板し、三者凡退に抑えて勝利した。
●ケース③:5点リードの9回裏2アウト満塁のピンチで登板。
⇒打者1人を抑えて勝利した。
●ケース④:7点リードの7回裏ノーアウトから登板。
⇒リードを守ったまま3イニングを投げて勝利した。
ケース①:3点リードの9回裏から登板。
⇒三者凡退に抑えて勝利した。
プロ野球で最も多く見られるケースです。
このケースは、条件①~条件④を満たしたうえで、条件⑤の「3点以内のリード時に登板し、1イニング以上を投げる」という条件を満たしています。
ケース②:4点リードの8回裏1アウト1・2塁のピンチで登板。
⇒8回のピンチを無失点で切り抜ける。9回も登板し、三者凡退に抑えて勝利した。
条件①~条件④を満たしたうえで、条件⑤の「2人連続ホームランを打たれると同点・逆転という場面で登板する」という条件を満たしています。
通常、抑え投手は1イニングしか投げないケースがほとんどです。
しかし、優勝争いをしているシーズン終盤戦の大事な試合などでは、複数のイニングを投げることもあります。
ケース③:5点リードの9回裏2アウト満塁のピンチで登板。
⇒打者1人を抑えて勝利した。
条件①~条件④を満たしたうえで、条件⑤の「2人連続ホームランを打たれると同点・逆転という場面で登板する」という条件を満たしています。
5点リードということで、抑え投手とは別の投手が登板するケースがプロ野球ではよく見られます。
今回のケースは、その投手がピンチを作ってしまい、抑え投手が登板せざるを得ない状況になってしまったケースです。
ケース④:7点リードの7回裏ノーアウトから登板。
⇒3イニングを無失点に抑えて勝利した。
得点差に関係なくセーブが記録されるケースです。
条件①~条件④を満たしたうえで、条件⑤の「3イニング以上の投球回を記録する」という条件を満たしています。
プロ野球で見ることは少ないですが、このケースもセーブは記録されます。
プロ野球歴代セーブ数ランキング
プロ野球のセーブ数ランキングTOP5をご紹介します。
2021年度シーズン終了時点(1974年以降)の記録です。
順位 | 投 手 | 所 属 | セーブ数 | 年 度 | 登 板 数 |
1 | サファテ | ソフトバンク | 54 | 2017年 | 66 |
2 | 岩瀬 仁紀 | 中 日 | 46 | 2005年 | 60 |
2 | 藤川 球児 | 阪 神 | 46 | 2007年 | 71 |
4 | 佐々木 主浩 | 横 浜 | 45 | 1998年 | 51 |
5 | 岩瀬 仁紀 | 中 日 | 43 | 2007年 | 61 |
5 | サファテ | ソフトバンク | 43 | 2016年 | 64 |
プロ野球は年間140試合以上を戦います。
ランキングの登板数を見てみると、いずれの投手も年間の半分に近い試合数を投げていることが分かります。
セーブを記録しているということは、僅差の試合を勝利しているということです。
プレッシャーがかかる僅差の試合ばかりを、1年間投げ続けるというのは並大抵のことではありません。
まとめ:プロ野球で投手にセーブが記録される条件
ここまで、プロ野球で投手に記録される「セーブ」について解説しました。
最後に、投手にセーブが記録されるための条件を整理しておきましょう。
- 勝利投手の権利を持たない
- 勝利チームで最後に投げた投手である
- 1/3イニング以上の投球回を記録する
- 同点・逆転を許さず、リードを守り切った状態で試合を終了させる
- 下記の条件をいずれか一つ満たすこと
- 3点以内のリードで登板し、1イニング以上を投げる
- 2人連続ホームランを打たれると同点・逆転という場面で登板する
- 3イニング以上の投球回を記録する
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