高校球児の夢舞台である甲子園。
しかし、雨の日が非常に多かった2021年夏の大会は順延が重なり、大きな話題にもなりました。
実は、そんな雨天時の試合について、2022年春から一部のルールが改正されています。
改正されたルールとはどういうものなのか、詳しく見ていきましょう。
- 「継続試合」とは何か
- 「継続試合」導入により何が変わるのか
- なぜ「継続試合」が導入されたのか
2022年春から「継続試合」を導入
日本高等学校野球連盟(高野連)は、2022年春に開催される第94回選抜高等学校野球大会から「継続試合」の導入を決めました。
「継続試合」とは?
また、継続試合のルールで勘違いしやすいポイントを下記にまとめました。
ぜひ一度確認してみてください。
中断した場面から継続し、勝敗が決するまで行います。
出場選手・打順は、試合が中断された時点からまったく同一にしなければなりません。(ただし、規則によって交代を認められる場合もあります。)
また、この時すでに途中交代していた選手が再度試合に出ることはできません。
中断した場面の得点差に関係なく、勝敗が決するまで行います。
甲子園でのコールドゲーム、ノーゲームがなくなる
継続試合の導入により、「コールドゲーム」や「ノーゲーム」はなくなります。
これまで、高校野球の甲子園大会では7回を完了した時点で「正式試合の成立」としていました。
従来のルールで、降雨により試合の続行ができないと判断された場合
●降雨コールドゲーム
7回を完了し、正式試合として成立した場合は、「降雨コールドゲーム」となる。その時点で勝っているチームがそのまま勝利となる。
●降雨ノーゲーム
正式試合の成立前に打ち切られた試合を「ノーゲーム」といい、翌日以降に再試合を行う。再試合は、ノーゲームとなった試合内容に関係なく、最初から試合を行う。(個人成績が反映されるのは、正式試合として成立した場合のみ。)
継続試合を導入した理由
継続試合の導入には、以下のような背景があります。
- 選手の負担軽減
- 球数制限による他チームとの不公平をなくすため
- 2021年夏、2試合の降雨ノーゲームと1試合の降雨コールドゲーム
ノーゲームの場合は、翌日以降に最初から試合をやり直すため、選手にとっては非常に大きな負担でした。
また、2020年春からは「1人の投手が投げる球数は1週間500球以内」という球数制限が導入されています。
ノーゲームでも投球数はカウントされるため、他のチームとの不公平が懸念されていました。
2021年夏の甲子園大会が「継続試合」導入の引き金?
2021年夏に開催された第103回全国選手権大会は、非常に雨が多い大会でした。
降雨ノーゲームが2試合。また、23年ぶりの降雨コールドゲームは大きな話題となりました。
第103回全国選手権大会で降雨ノーゲームとなった2試合
- 「明桜(秋田)」-「帯広農(北北海道)」
- 「近江(滋賀)」-「日大東北(福島)」
23年ぶり8回目の降雨コールドゲーム
●「大阪桐蔭(大阪)」-「東海大菅生(西東京)」
大阪桐蔭が7-4で東海大菅生を相手に3点リード。8回表1死で試合は降雨のため中断し、そのまま降雨コールドゲームとなった。
序盤から大阪桐蔭が得点を重ね、試合を優位に進めていた。
しかし東海大菅生も反撃を見せ、3点を追いかける形で臨んだ8回表の攻撃。
1死1、2塁という、一発が出れば同点という場面での試合打ち切りだった。
この大会は序盤から雨天順延が多く、すでに日程の消化が苦しい状況でした。
そんな状況の中、正式試合成立となる7回終了まで引っ張った結果の降雨コールドゲームに対し、「日程ありきではないか」といった声もありました。
プロ野球の場合はどうなる?
プロ野球にも「継続試合」ってあるの?
プロ野球に「継続試合」のルールはありません。
またプロ野球の場合は、5回を完了した時点で正式試合の成立となります。
プロ野球で、降雨により試合の続行ができないと判断された場合
●試合成立前(5回を完了していない)
「降雨ノーゲーム」となり、別日程で再試合を行う。やはり個人成績が反映されるのは、正式試合として成立した場合のみ。
●試合成立後(5回を完了している)
「降雨コールドゲーム」となり、その時点で勝っている球団がそのまま勝利となる。
まとめ:高校野球の継続試合
ここまで、2022年春の第94回選抜高等学校野球大会から導入された「継続試合」について解説しました。
出場する選手たちには、日頃の練習の成果を、甲子園という大舞台で十分に発揮してほしいと思います。
このサイトでは「みんなで野球を楽しみたい」をコンセプトに、野球の基礎知識やルールについて発信しています。
興味を持ってくださった方は、他の記事も読んでいただけると嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。